夏の食卓を彩る!薬念だれの万能レシピ4選:カツオ、ナス、ゴーヤで美味しく健康に

日々の食卓に取り入れやすい薬念だれ(ヤンニョム)を使った料理は、誰でも簡単に薬膳の恩恵を受けられる方法です。

今回は、薬念だれを使ったいくつかのレシピを紹介しながら、それぞれの料理が持つ薬膳的な効果を解説していきます。

薬念だれ

薬念だれは、香味野菜や香辛料を組み合わせた調味料で、その名は「薬効を念じる」ことに由来します。

よく使われる材料には、葱、生姜、ニンニク、すり胡麻、唐辛子、醤油、胡麻油などがあり、各家庭や地域ごとに独自のレシピが存在します。

材料(薬念だれ)

(作りやすい単位)
生姜 20g
茗荷 3個
葱 80g
醤油 100g
醸造酢 小さじ2
胡麻油((焙煎度の低いタイプ) 小さじ2

作り方(薬念だれ)

1.生姜をみじんに刻む。

2.茗荷は縦4つに切り、小口から薄切りにする。

3.葱をみじんに刻む。葱の葉もみじんに刻む。

4.ボウルに刻んだ野菜を入れ、醤油、酢、胡麻油を混ぜる。

5.清潔な容器に移し、蓋をして冷蔵する(保存の目安は約10日)。

荏胡麻の葉の薬念漬け

荏胡麻の葉は夏場に枝付きが手に入ります。青紫蘇に似ていますが、香りも味も異なり、独特風味があります。日持ちがしないので、薬念だれに漬けてキープするとよい。

材料(荏胡麻の葉の薬念漬け)

荏胡麻の葉:100g
薬念だれ:100g

作り方(荏胡麻の葉の薬念漬け)

1.荏胡麻の葉を枝から摘み、洗って水気を切ります。

2.葉100gにつき薬念だれ100gを絡め、常温で1日おき、容器に移して蓋をします。

3.冷蔵庫で2日間漬け込むと味が馴染みます。

キュウリを巻いて箸休めに。

そのほか、炊き立てご飯に乗せたり、お結びの具に。しゃぶしゃぶ、冷や奴のたれ、焼き肉に添えたりなど、いろいろに利用できます。

荏胡麻の葉

ビタミンC、E、ポリフェノール、クロロフィルが多く含まれ、活性酸素の消去能が高いとされる。
独特の香り成分には、殺菌、消臭、抗老化、アレルギー改善などの働きがある。
薬膳では、健脾(胃腸の健全化)、養血(血を養う)、補腎(腎機能の正常化)などの効用があるとされる。

ナスの薬念あえ

ナスは夏野菜として体を冷やす効果があり、薬念だれと和えることでさらに味わいが深まります。このレシピでは、電子レンジでナスを加熱し、薬念だれと和えるだけで簡単に作れます。

材料(ナスの薬念あえ)

ナス:2個
薬念だれ:大さじ2

作り方(ナスの薬念あえ)

1.ナスはヘタを除き、縦4つに切って長さを半分に切ります。

2.耐熱容器に入れ、600Wの電子レンジで2分加熱します。

3.薬念だれ大さじ2をかけて和え、粗熱を取って味を馴染ませます。冷やしても美味しくいただけます。

ナスは清熱(余分な熱を取り除く)効果があり、夏の暑さで体がほてる時に最適です。また、薬念だれに含まれる生姜は体を温め、胃腸の働きを整える効果があります。

カツオの湯引き 薬念だれ

熱湯で表面をごくわずかに加熱状態にする湯引き。生ガツオの臭みが取れ、殺菌にもなる。キュウリを添え、爽やかな香りと快い触感をプラス。
薬念だれをかけるだけで、お刺身サラダになります。カツオは消化に良く、タンパク質と鉄が貧血を予防。精力をつけ、抗老化にもよい。
キュウリは体熱を冷まし、渇きを癒やし、水分代謝をよくするので夏の健康によい。

材料(カツオの湯引き 薬念だれ)

(4人分)
カツオ(刺身用) 1さく(1/4節)
四葉キュウリ 1本
薬念だれ  大さじ4~5

作り方(カツオの湯引き 薬念だれ)

1.カツオの表面に熱湯をかけ、氷水で冷やして湯引きをします。

2.キュウリを薄切りにし、カツオと共に器に盛ります。

3.薬念だれをかけ、キュウリと共に食べると爽やかです。

カツオは、補気(気力を高める)や補血(血を補う)効果があり、疲れた体を元気にしてくれます。キュウリは体熱を冷ます効果があり、夏の暑さ対策に最適です。

カツオ

今回は腹身です。夏場のカツオは北海道での水揚げが主流。脂は少なめで身が締まり、さっぱりしている。腹身は脂が程よくいながら旨味を感じる。
薬膳では、補気(気力の充実)、補血(血を補う)、健胃(胃腸の健全化)、益精(精力を高める)などの効用があるとしている。

四葉キュウリ

中国華北系品種、名の由来は本葉が4枚ついたころから実がなり始めるところからとか。イボイボが目立ち、ごつく見えるが、皮が柔らかく、歯切れがよく、風味がよい。
薬膳では、キュウリは清熱(余分な体熱、炎症を鎮める)、生津(体液を潤す)、止渇(渇きを癒す)、利水(水分代謝促進)、解毒などの効用があるとしている。

ゴーヤともやしのピリ辛薬念

薬念だれに、粉唐辛子と魚醤をプラスすると、キムチ風のピリ辛サラダができます。
ゴーヤともやしは体熱を冷まし、暑気払いになります。
唐辛子の適度な辛みは、食欲を誘い、消化を促す作用があります。

材料(ゴーヤともやしのピリ辛薬念)

ゴーヤ 小1個(正味200g)
もやし 1パック(200g)
ブロッコリースプラウト 25g
薬念だれ  大さじ5
粉唐辛子(中辛の細挽き) 小さじ2
魚醤(ナンプラー、しょっつるなど)  小さじ2

作り方(ゴーヤともやしのピリ辛薬念)

1.ゴーヤは縦半分に切り、種の部分を除き、薄切りにする。

2.沸かした湯に入れて1分ゆで、もやしを加えてさらに1分ゆでる。

3.ざるで引き揚げ、冷水に入れて冷ます。

4.ざるで水けをきる。

5.ボウルに、薬念だれ、粉唐辛子、漁醤を入れt混ぜ、野菜を加えてよく絡める。

6.スプラウト加えて混ぜる(冷蔵庫で2~3日保存可能)。

ゴーヤ

ビタミンCが多く、加熱による損失が少ないのでよい給源になる。
薬膳では、解暑(暑熱症状の緩和)、清心(心機能の正常化)、明目(視力改善)、解毒などの効用があるとしている。

緑豆もやし

淡味でどんな料理にも合い、低カロリー、安価なのも魅力。
日が経つと臭みが出るので購入した日に使うとよい。
薬膳では、解暑、止渇(渇きを癒す)、利尿(水分代謝促進)、解毒などの効用があるとしている。

ブロッコリー・スーパースプラウト

ブロッコリーの発芽3日めの新芽。ビタミンC、E、葉酸、スルフォラファンが多い。
スルフォラファンは、植物に含まれるフィトケミカル(植物が身を守るために作り出す化学成分)の1種。強い抗酸化作用、解毒作用があり、シミ、ソバカスの予防、肝機能向上、胃炎などの予防に役立つ。熱に弱いので生で食べるとよい。

紹介動画

以下の画像をクリックすると動画で観ることが出来ます。

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本日のご紹介はいかがでしたでしょうか。

薬膳料理は特別な技術や知識が必要と思われがちですが、薬念だれを使うことで、手軽に健康をサポートする食事が作れます。是非、これらのレシピを試して、日常の食事に薬膳を取り入れてみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。他にもご家庭で手軽に作れる薬膳レシピをご紹介していますのでぜひチェックしてみてください!