辺境地に暮らす遊牧民の健康を支えてきたお茶。普洱茶(Pǔ’ěr cháプーアルチャ)と同じ「黒茶」の仲間ですが、茶葉が、発酵する過程で、「金花」と呼ばれる黄色い顆粒状のものを生じるのが特徴です。
この「金花」は麹菌の一種(冠突散嚢菌)が作り出すもので、アミノ酸や脂肪分解酵素、消化酵素などを豊富に含んでいます。
1年から1年半かけてじっくり発酵しているため、鉄分、カルシウムなどのミネラルなども豊富で、カフェインは緑茶やウーロン茶の半分以下だそうです。遊牧民たちの健康を支えた根拠が科学的にも明らかにされています。
金花がよく成長したお茶は、味わいがまろやかで、苦味や渋味がなく、特有の色、香り、味を醸します。熟成するほどに、香り、味わいが深まり、古いものほど珍重されます。
美味しい淹れ方
1.茶葉1gに対して水50mlを用意。
2.茶器を100℃の湯で熱くします。
3.湯を捨て、茶壷に茶葉を入れ、100℃の湯を注ぎます。
4.すぐに湯を茶海に捨てます。これを洗茶といいます。
汚れを除き、茶葉の成分を浸出しやすくするため。
5.100℃の湯を注ぎ、10秒蒸らし、茶海に注ぎます。
茶壺の湯は全部出しきります。
【ポイントは沸騰した100℃の湯で淹れること】
6.茶壺に100℃の湯を注ぎ、2煎目をすぐに茶海に注ぎます。
お茶の濃さが均等になります。
7.茶杯(湯呑)に注ぎ分けます。
8.そのあとすぐに淹れないときは、茶壺の蓋を開けておきます。
温度を下げることで、茶葉の成分が浸出するのを抑えるため。
3煎目、4煎目は100℃の湯を注いだら5秒ほど蒸らしてから注ぎましょう。
中国茶の製法について
中国茶は製法で分けると不発酵(緑茶)、半発酵(烏龍茶)、全発酵(紅茶)、後発酵(普洱茶:プーアル茶)に分けられます。
製茶上での発酵は、生葉中の酵素による茶葉成分の酸化反応を意味し,微生物は関与していません。ただし、後発酵茶については、微生物による発酵です。
茯茶の発酵に利用される微生物は主に環境由来の常在菌で、その製法は国家の「2級機密」とされ、国が管理しています。そのため任命指定された地域と工場以外での製造は許されていないそうです。
ちなみに、茯茶の名は、原料の茶葉が夏場の暑い時期(三茯)に摘まれることから「茯茶」と呼ばれ、その後、土茯苓(どぶくりょう/清熱解毒薬)のような薬効があることから転じて「茯茶」と呼ばれるようになったとか。
あとがき
このお茶を知ったきっかけは、中国の清朝末期に実在した商家の女主をモデルにしたドラマです。
傾きかけた商家を茯茶に金花の名を冠して「金花茯茶」と名付けて販売し、盛り返すのです。
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